- ▶ Aさん 17歳 女性
- ▶ Bさん 17歳 女性
- ▶ Cさん 18歳 女性
- ▶ Dさん 18歳 男性
私たちの社会で、子どもたちは一人一人が尊厳ある存在として認められ、その存在自体がとても大切なものとして尊重されているでしょうか?
私たちのシェルターに辿り着いた子どもたちは、それまで大切にされなかった経験をたくさんしていました。児童虐待、いじめ、貧困、家庭崩壊、疎外と孤立・・・。そして、これらは、多かれ少なかれ、日本にいる子どもたちの置かれている現状なのではないかと思います。
現代の私たちの社会は、とてもストレスフルな社会です。核家族化が進み、ひとり親家庭も増加しています。雇用形態は変化し、不安定雇用が増加し、失業も増加しています。地域の連帯は稀薄化し、人々は孤立化しがちで、パソコンや携帯電話が人々を繋ぐツールとなっています。そんな中、頑張っているのに報われず、将来に希望が持ちにくい社会になっています。多くの人が息苦しさを感じているのではないでしょうか。そして、こうした社会のストレスは、大人にも子どもにも、様々な症状や現象となって表れてきますが、特に弱者である子どもたちには、それが顕著です。過労死や自殺、虐待やいじめ、犯罪や薬物依存、不登校やとじこもり・・・、どれも根っこは同じような気がします。大人も子どもも、余裕をなくし、孤立化する中で、自分も他人も大切にできない社会・・・これが現代の日本です。そして、政治は、これまで、このような社会で苦しむ子どもたちをネグレクトしてきました。しかし、子どもが大切にされない社会は、いずれ崩壊し、未来がありません。
私たちは、一人一人が、まず自分のできることを始める必要があります。自分と他人を大切にし、そしてそれを子どもたちに伝えること、てんぽはそんな思いで活動を続けています。